2011年3月12日土曜日

災害時のモバイル端末の効用

 昨日(3月11日)の東日本大震災を、私は神奈川県相模原市緑区の自宅マンション(28階建ての16階)で体験した。
 この日、妻が検査で病院に行くため休むのにあわせて、私も休暇をとったのだ。地震は、北西から南東の方向への衝撃的な横揺れで始まり、長い周期の揺れが船が揺れるように長く続いた。地震発生と同時に、停電となり、テレビも消えた。恐ろしくて、妻と手を取り合って、揺れが収まるのを待った。あとで震度5弱とわかったが、今まで私が経験した中で、最も大きく長い地震の揺れだと感じた。

 停電のためテレビが見られない。携帯ラジオもうちにはない。そこで、スマートフォン(Andorid AU)IS03のradiko.jpというラジオが聴くアプリで、地震直後のニュースの第一報を知ることができた。震源が東北であることや地震の規模の大きさ、東京の交通の状況などが次第にわかってきた。余震が続き不安な中で、情報を得ることによりいくぶん心が落ち着いた。ワンセグのテレビは、映像が小さすぎて、私には何がなんだかわからなかった。

 夜となっても停電が続く中、ろうそくの灯で、iPadがまぶしいので明るさを最小にして新聞・テレビのニュースを読んだ。停電でWifi環境がなくても、3Gでインターネットの情報が得られるのはありがたかった。東電からの供給でないJRと京王の駅のほかは、周辺のすべての建物が真っ暗なのだ。隣の八王子や町田は明るく、相模湾に面する茅ヶ崎あたりも電気が通じているようだ。

 iPadでの情報入手にも飽きてきたころ、ポケットWifi(D25HW)を使えば、Macbook Airでもインターネットが使えることに気づいた。Macでテレビ局や通信社が提供する動画ニュースを見たり、2ちゃんねる掲示板の「臨時地震」>「神奈川版」で地域の情報を得た。地震やその後の津波の様子がだんだんわかってきた。東京の公共交通は、夜中に私鉄の一部が動き始めたが、JRは全滅で、多数の帰宅難民が都内で不安な夜を過ごすこととなった。苦労された方々には同情を禁じ得ない。

 もちろん、この間、職場とか、家族、友人と安否確認にメールが役立ったことはいうまでもない。地震直後は、固定電話を含めて電話は通じにくい状態が続くが、メールは通じやすい。

 停電で暗いのはやむをえないとして、我が家で困ったのは、床暖房を含めて、すべての暖房器具が電気がないと機能しないことだった。幸いガスと水道は通じていたので、大きな鍋いっぱいのお湯を沸かしたりしたけれども、部屋を暖めるのはとても無理だとわかった。寒いので早々に寝ることにした。

 停電が回復したのは、夜半になってからだった。テレビのニュースを大画面でみて、あらためて災害の大きさを実感した。

 このように、モバイル端末の効用により、停電下でも災害情報を的確に得ることができた。少し前には考えられなかったことだ。災害に備えたフル充電の心がけや緊急用の充電器を用意しておきたい。